ネット社会でも本が必要だといえる理由
現在、世の中は情報社会まっただなかですね。ITという用語を聞き始めてだいぶ久しくなったと思います。情報革命によって、世の中は著しく便利になりました。紙に書いていたことはすべて1と0の羅列でコンピュータ内で保管できるようになりましたし、プログラムを組めば、機械だって自動で動くようになってしまいました。
そんなIT中心の世の中ですが、情報革命を最も盛り上げたといっても過言ではないものがインターネットです。この技術なしにはここまで発展しなかったでしょう。最近さまざまな場面で普及しつつあるIoT(もののインターネット)にも、このインターネットの技術が応用されています。
いわゆるこのネットについてですが、身近な使い方としては、何か知らないことやわからないことを調べるときに検索するといった使い方がありますね。ネットは一瞬でアクセスでき、価値の高い情報がストレスなく手に入ります。
インターネットで知りたいことがすぐ知れるから
もう本はいらないね!
ネットで情報収集が完結できる(と思われている)ようになってしまえば、こんな声が聞こえてくるのは無理がないでしょう。しかし、一昔前の社会では、本は元祖情報の山でしたし、貴重なこともたくさん書かれています。そこで今回は、そんなネットと本、現代においてどちらのほうが優れた情報源なのか考察していきたいと思います!
ネットのメリット・デメリット
ネットのメリット
ネットの長所は、言わずもがなその情報へのアクセスの速さ・手軽さでしょう。手元にスマホがあれば、物の20秒ほどで知りたい情報を手にすることができます。即時に知識が得られるため、いちいち本や辞書を調べるといった時間のかかる面倒な手続きを踏まなくて済みます。
また、その情報の安さも見逃せません。普通、本から知識を得ようと思った場合、本屋さんに行って、自分が求めている情報が書かれていそうな本を探し出し、購入する必要があります。本は一冊でも1500~3000円くらいはしますので、そうやすやすと買えるものではありません。
しかし、ネットの場合、自分が欲している情報を知ることができるうえに、無料です。こんなにもメリットがあるインターネットは最強のインプットツールだと結論付けてしまう気持ちもよくわかります。ですが、そんなネット情報にも弱点がいくつかあるのです。
ネットのデメリット
ネットの短所は主に2つあるでしょう。
一つ目は、ほとんどの人がわかっていると思いますが、書かれていることが正しいかどうか不確かだということです。ネットは、だれでも書き込みをすることができるため、正しくない情報を載せることが簡単にできます。ですので、テキトーに書かれた根拠のない情報がネットに転がっているのは残念ながら事実です。
まあ、最近のグーグルの検索エンジンは驚くほど進化しているので、テキトー情報は下のほうへ落ちていくようになっているそうですが・・・。それでも、ネットを使う際は書かれていることが正しいかどうか見極める必要があります。
二つ目は、ネットは断片的なことしか知れないということです。
困ったことがあればすぐに解決することができるネットの情報ですが、即時性に優れている反面、体系的な知識を得ることは難しい部分があります。ネット記事は一つの記事に書きすぎても読みづらくなるだけなので、あえてすべては書かず、複数の記事に分けて書くようにしている人が多いからです。
また、出版されている本は、出版社などで本を書くことが許された(情報の正しさや有効性が認められている)人が書いていますが、ネットの記事はだれでも書いていいことになっています。そのため、ネット記事はわざわざ体系的にまとめず、その時の気分で情報を書いて載せていてもいいのです。
その結果、記事の内容が断片的であったり、記事一つ一つにまとまりがなかったりするのです。基礎的な知識は体系的な情報でしか身につかないので、この部分はデメリットになります。
本のメリット・デメリット
本のメリット
本のメリットは、情報が体系的に知れる点と、その情報が正しいと保証されている点です。
まず、先ほどネットでは体系的な情報は得られないといいましたが、本ではそれが得られます。理由は一つのテーマについて章や節に分けて順序だてて書かれてあるからです。これにより、読者は混乱せずに済み、知識を整った状態ですんなりと吸収することができます。このことからも、何かしら勉強するときは、ネットだけに頼らずに書籍を購入したほうがよいでしょう。
また、本は出版社を通して出ているので、校閲や内容の確認が入ったうえで本屋さんに並びます。よって、誤った情報や不確かなことがあたかも本当のことかのように書かれた状態で世に出ることはありません。つまり、本の場合は書かれていることを正しいものとして信用することができるのです。
ただ、自己啓発本にかかれているような個人の思想は、正しいとも何とも言えないものなので、いくら出版社から出ているとはいえ、鵜呑みにするのは避けましょう。(思想系は出版社でも真偽を判定することはできない)
本のデメリット
本にももちろん短所はあります。大きな短所は、目的の情報を得るまでに時間がかかることでしょう。
本は、一つのテーマについてとことん深堀りして解説してくれます。しかし、一つのテーマについて詳しいということは、対象としている情報の範囲が狭いということになります。そのため、何か目的としている情報があったとして、試しに一つの本を選んだとしても、その本の中に自分の知りたいことが書かれている可能性は高くないでしょう(そりゃあもちろん、ほんのコーナーや背表紙である程度はしぼれますけど・・・)。
図書館にその情報を探しに行っても、そもそも該当する本がないということもあり得ます。そんな時、スマホを取り出せばものの数分でお目当ての情報が見つかります。つまり、本のリサーチ能力は低いということです。これが本の大きな欠点でしょう。
結局どっちのメディアを使うべき?
ここまでのことを踏まえてみて、結局どちらのほうが優れているといえるのでしょうか。
結論を言いますと、どちらが優れたツールかはその時によるということになります。なんだかどっちつかずな結果になって申し訳ないですが、実際ネットと本は使い分けるととても便利なツールです。では、使うべき場面はどのようなときでしょうか。
本が威力を発揮する場面
まず、先に本について言わせてもらいます。本の場合は、基礎力の育成に用いるとよいでしょう。
例えばゲームを作る場合を考えてみます。まず、ゲーム作りをする際、必要になる技術としては、プログラミングがあります(ほかにもたくさんあるんですけどね・・・)。このプログラミングは、ネットに書いてあるまばらな知識を見せられただけでは、まず何から始めたらよいか全くわからないと思います。
そこで出てくるのが書籍になります。そこそこ大きな本屋さんには様々なプログラミング言語の本(教本)がおいてあります。それらの本を購入して、1ページ目からコツコツと読み進めていけば、割と苦労せずにプログラミングの基礎知識を身に着けることができるのです。
このように、本を用いるのは、しっかりと勉強をしたいときです。なぜなら本を用いることで、ある程度の情報を網羅することができるからです。入門書であれば、その分野に関する周辺知識を浅く教えてくれるのではじめはそういった本から始めることが有効です。
ネットが威力を発揮する場面
では、ネットはどういった場面で有効なのでしょうか。最も有効なのは即戦力に用いることです。
またゲーム作りのことを例に挙げますが、今度は実際にゲームを作り始めたと思ってください。すると、本に書かれていることだけではどうにもならないことが出てくると思います。その代表的なのがエラーの対処についてです。
エラーは実に種類が多いうえに、ほんの少しのミスでも10個エラーが同時に出ることも珍しくありません。つまり、エラーへの対処は、しなければならない頻度が多いうえに、その時その時のエラーに見合った別の対処をしなければいけません。
そのような時、もともとリサーチ能力が低い本を用いるのは、効率的ではありません。しかも、本をそんなにたくさん用意することはできないはずです。ではどうするか。決まっています、ネットの出番です。
大概のエラーにはエラーの名前が表示されると思いますので、そのエラー名を検索欄にぶっこめばOKです。するとほとんどの場合、すぐに解決策がでてきます。ほぼすべてのエラーがすでに誰かの手によって解決済みなのです。
このように、ネットを用いることで、即戦力を得ることができるのです。この即戦力は、基礎知識には含まれないので、応用があまり効かないものになりますが、それでも目の前にある困難に対しては、すさまじい力を発揮します。
困ったときにすぐ助けてくれるのがネットということになります。
ネットと本は、使う場面によって大きな力に
なるんだね!
最後に
いかがだったでしょうか。今回はネットVS本というテーマで考えていきましたが、結局のところ、これが最も良いと決めることはできないという結果になりました。このことは、本はIT革命が起きた今の時代でも、すたれることのない大きな価値を持っているということになるのではないでしょうか。
この記事で一番伝えたいことは、どちらか一方を偏って使用するのではなく、うまく使い分けながら柔軟に情報収集ができるようになると理想的だということです。今回の記事が、皆さんのこれからの生きていく技術になってくれれば幸いです。
それでは、またどこかでお会いしましょう。